Benjamin Diamondオフィシャル・インタビュー
ダフト・パンクとの「Stardust」名義で「Music Sounds Better With You」のセクシーなヴォーカルを担当したBenjamin Diamondが前作の大ヒット・セカンドアルバムからおよそ3年、クラブフィールドに収まらない珠玉のポップ・サード・アルバムを完成させた!
その名は知らなくとも、ダフト・パンクのトーマ・バンガルテル等とのユニット“Stardust”名義で放った「Music Sounds Better With You」の世界的大ヒットによって彼の歌声を聞いた事もあるはず!レーベル“Diamond Traxx”の主宰にして、ダフト・パンク率いる“Daftcrew”のメンバー、さらにはビョークやエンニオ・モリコーネのリミックス、ディオールのショーのための音楽制作等、幅広い活躍でフランスの音楽シーンの中核を担ってきたベンジャミン・ダイヤモンド。そして今回、従来のハウス路線を踏まえつつ、80年代ネオ・アコースティックや70 年代ポップスのエッセンスを詰め込んだギター・バンド・サウンドを基調とした2005年の大ヒット・セカンド『Out Of Myself』に続くサード・アルバムを遂にリリース!それを記念し、来日公演中の彼にインタビューを敢行した。
●長旅でお疲れのことと思います。そんな折、貴重な時間を割いて頂き感謝します。今回で来日は3回目になるんですよね?
日本はとても気に入っていて、世界各国行っていますがチケットを渡されたらいつでも来たいくらい好きな数少ない国のひとつだよ。なんだかエネルギーをいっぱいもらえるような気がするよ。
●前作から約3年ぶりの新作リリースおめでとうございます。まさにあなたの新作リリースを待ち続けていて、我々は本当にこの3年あなたの動向を探っていました。しかもフランスより先行でリリースできてとても光栄に思っています。
フランスでは10月、アメリカでは来年1月、それにドイツでのリリースも決まっているんだけど、それに先駆けて日本で一番にリリースできたことは僕にとっても本当に嬉しいよ。今回のアルバムは、初めて充分な時間をかけてちゃんと制作できた作品になったんじゃないかな?ついさっき初めて日本盤の実際のCDを手渡してもらったんだけど、その時の気持ちは本当にうれしくて、今とても幸せな気分だよ!
●それでは音楽を始めたきっかけと、影響を受けたアーティストを教えてください。
8歳の時にベッドに横になってマイケル・ジャクソンの「スリラー」を初めて聴いた時、いったいどうやったらこんな音が作れるんだろうと思って、本当にそれが知りたいと思ったのがきっかけだよ。今でもそのときの感覚が忘れられないんだ。それから父のレコードの中からスティーヴィー・ワンダー、ビートルズ、マービン・ゲイなど、ポップとソウルの両方を聴いて育ってきたんだけど、これからも自分の目指しているところはポップとソウルのちょうど中間で、今の時代の音でそれを作っていけたらと思っているんだ。
●他に夢中だったことなどありますか?
1995年から5年間ほど映画監督のアシスタントをしていたこともあったよ。あと、テコンドーをずっとやっていて、ここ15年間は子供たちにも教えているんだ。
●今回の新作では、初めて外部プロデューサー(ポール・ケンドール)を起用されていますが、この方は、イギリスMUTEレーベルのサウンド・エンジニアのようですね。今まであなたはセルフ・プロデュースに拘っていたように思えるのですが、自分の中で何か変化があったのですか?
やはりこれまで2作品を全部一人でやってみて、ひとつの壁にぶち当たっているような気がして、このタイミングで信頼して自分の音楽を預けられる第三者が必要だと感じたんだ。自分ひとりでやっていると、鏡に向かって化粧をしているような感じで、自分の素顔を変えたいと思ってついつい厚化粧になってしまう。第三者に頼むことで、自分の素顔にあった化粧を教えてくれる。そんな仕事の仕方を勉強することが出来たなと思う。同じ時期に新しいミュージシャンの仲間たちとも出会うことが出来て、いいチームが出来上がったと思うんだ。今は一人じゃないって感じる。自分は自分ひとりだけで全部出来る人間ではないとわかっているんで、仲間が出来たことをとても心強く思っているんだ。
●日本では、"1000 LIVES”をリード・トラックとしてプロモートしO.A.されてます。既にJ-WAVEのチャートでもすでに上位に入ってきていますが、アルバムの収録曲で特に思い入れのある曲はありますか?
"THE LETTER"が気に入っているよ。自分的にはこの曲は最初から最後まで本当に良く書けたし、なかなかうまくプロデュース出来たと思っている。今後の方向性としてもこんな風な感じをどんどんやっていきたいと考えているんだ。この曲は、死んでしまった友達への曲なので思い入れも強いんだ。
●アートワークがとても素晴らしいのですが、一見シンプルなようでとても主張してくるものを感じます。これは絵だと思うのですが、描いた方とはどういう関係ですか?
これはとても大きい絵なんだ。それを写真に撮ったもの。フランスでとても有名なGUY PEELLAERTという画家で、父の友人なんだ。70年代にデヴィッド・ボウイやローリング・ストーンズとかもジャケットで描いていた画家なんだ。彼に描いてもらえるなんて夢のようだよ。だけど彼の絵はとても値打ちがあって、手に入れるには高価すぎて、僕には買えなかったから、今どこにあって誰が手にしているのかも僕にはもうわからないんだ。(笑)
●ライナーノーツにあなた自身に書いて頂いた各曲コメントの中で、2曲目“STILL”のコメントがまさにフロント・ジャケットのイメージに感じたのですが、“STILL”のイメージで絵を描いてもらったのですか?
そう、その通り!但しこの絵の中では砕けたビンが飛び散ったりはしてないけどね(笑)
●現在のフレンチ・エレクトロ・シーンについて感想を頂けますか?日本でもJUSTICE,やAIRを筆頭に、あなたも含めてSEBASTIEN TELLIERやED BANGERのアーティストが話題になり次々と日本盤でリリースされていますが。
エレクトロ・シーンもこの十年で出尽くして、淘汰され、ある意味成熟してきたんじゃないかと思うんだけれど、今なかなか有望だなと思っているのはDATAという21歳のアーティストで、彼はクラブシーンの人なんだけど、ただ単にダンストラックを作る奴というのではなくて本物の音楽家で、とても興味深いんだ。SEBASTIEN TELLIERはカリスマ性も才能もあるし、ステージ上でも存在感があるし良いと思うよ。ED BANGERのアーティストも、すごく頭のいい人たちで、やっていることはとてもスマートで良いと思うんだけど、でも単にトラックだけではなく、それぞれのアーティストの方向性が見えるような”アルバム”を見せてほしいと思う。彼女と部屋でくつろいでいるときにも聴けるようなね。

●DATAとのコラボレーションについて聞かせてください。
彼のニューアルバムの中で2曲歌っているし、プロデュースもしている。それとはまったく別で、ベンジャミンの名前もDATAの名前も一切出さないSKYWRITERというユニットをやる話も進行中なんだ。なにか違うことをやろうってね。いつになるかはまだはっきり決まってはいないんだけどね。彼とはヨーロッパ各地をDJで一緒に回ることがとっても多いんだ。
●また、あなたも「DIAMOND TRAXX」のアーティストとして、レーベル・オーナーとして2足のわらじで仕事は多忙を極めていると思いますが、今後デビューさせる予定の新人アーティストはいますか?
CONTROL CLUBというバンドの新作が現在ミキシング中でリリースを1月に控えているよ。BREAK BOTというファンキーな感じのエレクトロっぽいアーティストを来年出そうと考えている。あと、NELSONの新作も準備中だね。
●10年前あなたがデビューした当時と今とで、アーティストとして変化したことはありますか?
うまく説明できるかどうかわからないんだけれど、ファーストアルバムの「Strange Attitude」と新作「Cruise Control」の間にどういう変化があったかと考えると、ファーストは時間をあまりかけず、ぱぱっと作ってしまった感じがして、それはそれでその時は面白かったんだけれど、でもこの間自分がアーティストとしてどういう風に変わってきたかというと、方向性が見えてきたというのが一番大きな変化じゃないかと思うんだ。10年前は十字路に立ってぐるぐる回って自分がどっちに行くべきなのかわからないでいたんだけれど、今はこっちだと思える方向が見えたのでまっすぐ歩いて行こうと思う。当然その先にはまたY字路も出てくるとは思うんだけれども、その方向性の中でまた実験的なことも挑戦していけたらと思う。ただ今確かなことは、アーティストとして光の当たっている方を目指して向かって歩いていこうと思っている。
●FPMなど知り合いも沢山いらっしゃると思いますが、仲の良い日本のアーティスト、日本の現在の音楽シーンで気になっていることを聞かせて下さい。
日本の音楽シーン、とっても好きだよ。FPMとは3年前に一緒にツアーを回ったのが縁で仲良くなった。コーネリアスも大ファンでMy spaceを通じてメッセージを送ったりもしたんだけど返事はなかったよ(苦笑)。あと、フランスでライブを見てなんだこりゃと驚いたのがPOLYSIXで、「どうもありがとう、Mr.ロボット」の悪趣味と上品の中間みたいな、変なヴォコーダーの使い方というのがド肝を抜かれたよ。ケン・イシイも好きだし、あと大編成のアフロキューバンのバンド・・・ええと、名前なんだったっけ・・・そう、渋さ知らずオーケストラ!彼らもコンサートをフランスで見たんだけど、とても気に入ったよ!
●最後に日本のファンに一言お願いできますか?
これは重要な質問だな!良い事を言わないとまずいな(笑)。CDとライブを目いっぱい楽しんでね!出来ればダウンロードはほどほどに、出来ればCDを買うように!アーティストとレーベルを守るためにね!(笑)
2008.7.17@渋谷
インタビュー:奥村知行
協力:Primitive Inc. (www.primitive-inc.com)
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